万代はフロー、古町はストック

古町と万代の違いは、日々通っていて分かってはいるつもりだけど、同じ日の新聞紙面でこうも対照的な内容が載ると、あーあ、やっぱりなぁ、と思ってしまう。

・ラブラ2、11月上旬にオープン 5店舗が県内初出店|新潟日報モア
http://www.niigata-nippo.co.jp/news/economics/20130624050676.html

まずは万代。ネーミングは「ラブラ2? ホントに?」という感じだけど、H&MZARAなど今いろんな意味で注目を集めるブランドを新潟初出店させるのは、さすが万代、さすが三井不動産といったところ。残る三十数店舗にどんなテナントが入るのか。そして万代シテイ自体にどのような影響を及ぼすのか。注目したい。

・大和閉店3年 姿見えぬ再開発構想|新潟日報モア
http://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20130625050767.html

一方、古町。核テナントがなかなか決まらず、再開発計画が一向に進んでいないようだ。三井と大和の差が出てしまったのか。でも大和は、金沢では旧本店を建て替えて再開発する計画が進み始めているという。新潟にはあまり力が入っていないのか、それとも古町独特のいろいろ難しい事情が出てきているのか。うーん。

でも古町でも特に夜のお店は、流行っているところは流行っている。先日もオープンして十数年経つ居酒屋さんで飲んだのだけど、7時頃から10時近くまで、カウンターもテーブル席もずっと満員。帰宅途中に古町10の喜ぐちの前を通ったのだけど、ここも「満席」の札。人通りは少ないけど、店からは結構賑やかな声が聞こえてくる。

先日まで読んでいたこの本で、経済学者の藻谷浩介さんが話していたのが印象に残っている。経済指標というのは得てしてフローの数値で見がちだけど、その土地が本当に豊かかどうかはむしろフローよりストックが重要なんじゃないかって。

・藻谷浩介さん、経済成長がなければ僕たちは幸せになれないのでしょうか?:Amazon.co.jp:本
http://www.amazon.co.jp/gp/aw/d/4761513098/ref=redir_mdp_mobile

万代は目新しいお店が次々進出するフローの街。一方、古町はもともと街が持つ財力や資源などのストックで生きている街と言えないだろうか。

古町で流行っているお店は弁護士さんとお医者さんをつかんでいるところ、という話も聞いたことがある。人通りが減って寂しくなったと言われながらも何とか街として持ちこたえているのは、ヒトや文化といった数字には出にくいストックが街を支えているから、と言ってもいいのかもしれない。

というわけで、大和跡地の再開発も目新しいモノを引っ張ってくるフローより、街のストックを上積みするような、そんなカタチを意識すると意外にうまくいくのかもしれない。じゃあそれって何?と聞かれても、答えられないんだけどねー。