街の案内人みたいな喫茶店

furumachi2013-03-05

直江津でたまたま入った喫茶店で、直江津名物の「継続だんご」とほろ苦コーヒーの「林芙美子セット」をいただく。林芙美子の自伝的小説「放浪記」で、彼女はこの街に降り立ち、街の賑わいと継続だんごの甘さに励まされ自殺を思いとどまったのだと、店のママさんが教えてくれた。この甘さ、たしかにほっこり心が休まる。

・「放浪記」に出てくる継続団子 - 軽薄短笑 〜新潟県上越妙高発〜
http://8446.blog79.fc2.com/blog-entry-529.html

出張で直江津に行ってきた。会議の合間に街を歩いてみる。以前上越に暮らしていた時は、ほとんどクルマでしか来ることがなかったけど、駅前から街を歩くと、雁木があって水路があって小路があって…と、なかなかいい雰囲気。歩いてみて初めて魅力に気づく街なのかもしれない。

街の中心に位置する神社のまわりが飲み屋街になっている。この時間はまだ静か。街全体に人通りも少なくなって、と喫茶店のママさんは嘆く。今、林芙美子さんがこの街に来ていたら、街の賑わいに触れることなく自殺してしまっていたのかも…と思ったけど、さすがにママさんには言えなかった。

ママさんによると、直江津は通りの左右に伸びる小路が魅力の街なのだとか。港町だから古町と似たところがあるのかも?と思ったけど、直江津では小路と書いて「しょうじ」と読むんだって。へぇ、同じ県内でもいろいろ違うものなんだねー。

ほんの1時間ほど歩いただけだったけど、最後に寄ったこのお店のおかげで、直江津のことがいろいろ分かった気がする。直江津駅前で唯一の喫茶店だそうだけど、こういう街の水先案内人的なお店って大事なんだなぁ、と改めて思った。
・なおえつ茶屋
上越市中央1-5-2
025-539-5205
10:00〜22:00(日曜祝日は17:00まで)L.O.21:00(日曜祝 日L.O.16:00時)
月曜定休