アルビレックスはまちの誇り

furumachi2012-11-25

正直言って、もうダメかな…と誇りを失いかけていたけど、首の皮一枚でつながった。24日の試合でアルビレックス新潟が、優勝のかかっていたベガルタ仙台に勝利。J2降格の危機にあったけど、今度の土曜日に行われるビッグスワンでの最終戦が、まさに最終決戦となる。

試合やチームのことはずっと熱心なサポーターさんがたくさんいるので、ここでは触れない。先日上古町のヒッコリースリートラベラーズで行われた「シビックプライド会議」の参考図書「シビックプライド―都市のコミュニケーションをデ ザインする」に、アルビレックス新潟について触れた部分があったので紹介したい。

シビックプライド会議ー新潟 やってよかったです。 : hickory03travelers-blog
http://h03tr.exblog.jp/19253964/

シビックプライド」とは、市民が都市に対してもつ自負と愛着のこと。日本的な「郷土愛」とはちょっと違うニュアンスがあって、自分はこの都市を構成する一員であるということ、この都市をより良い場所にするために関わってみると都市はもっと楽しくなるという考えが根底にあるらしい。ふむふむ。

このなかで読売広告社の杉本浩二氏が、新潟市ほか4つの都市を対象に2007年に「シビックプライド・プレリサーチ」という調査を行っている。自分のまちに誇りを持つことが、まちへの愛着や共感などの意識を高める上で大きな影響力を持つと杉本氏は言う。新潟市で大きく影響しているのが、アルビレックス新潟の存在だ。

観光や名産品、映画やテレビへの登場など多くの要素で、新潟市は残念ながら低いランクにとどまっている。唯一新潟市がランクを上げているのが「有名なプロスポーツチームがある」という項目。このおかげで、新潟市の誇りスコアは函館市の1.4に続く1.0となっている。よかったー。アルビがなかったら、どーなってたの?

アルビがまちの誇りというのは、決して日本一になるほど強いからとか、日本代表選手がばんばん出るからとかではない。プロスポーツ不毛の地だった新潟で、4万人収容するビッグスワンがオレンジ色で埋め尽くされる、このこと自体が誇りなんだ、きっと。関わることでまちが楽しくなる。まさにシビックプライド的だ。

まちの資産は存在しているだけで誇りにつながるのではなく「人々の経験や情報関与を通じて誇りと結びつく」と、杉本氏は言う。だから12月1日の最終戦は、ビッグスワンをオレンジ色で埋め尽くしたいところ。この経験はサッカーの一試合を超えて、これからの新潟のまちにとって重要になりそうな気がしている。