水上渡御を見て考えたこと

furumachi2012-08-04

みこしを乗せた御座船が信濃川を渡る水上みこし渡御は、新潟まつりでも港町を感じさせる行事。毎年こんな場所から出発していたんだね。もう少し目立つ場所でやればいいのになぁ。

3年連続で子どもと参加した新潟まつりの住吉行列は、今年は不参加。2日間、街じゅうを練り歩くのも楽しかったけど、今年は見る側に戻って祭りを楽しんでみようと、お昼がてら万代島の水と土の芸術祭メーン会場へ行ってみた。ここから水上みこし渡御の出発の様子が見られると聞いたからだ。

メーン会場の岸壁から眺めると、対岸の魚市場側にはみこしを乗せた御座船と大漁旗などを掲げた多くの漁船が見えた。空高く放水が始まると、水上渡御がスタート。船は魚市場を出発し、信濃川河口へ向かっていった。河口周辺では大漁を祈る神事でも行われているのかな。

ふと思う。お祭りって、何なんだろうと。もともとは神事から始まるものが多いだろう。最近では観光的要素、つまり外からいかに人を呼ぶかという側面が強くなっている。一方、今年みたいに一部日程が長岡まつりと重なったりすると、それってどうよ?という話になるし、そもそもそんなに観光客が来ているの?とも思う。

そうなると、このお祭りは何なのか。そろそろ「地元らしさの再確認」に重点を置く方がいいのかな、と思っている。外に向けてより、中に向けたお祭りのカタチ。地元がどういうところなのか、何があるのか、何を誇りにできるのか。水と土の芸術祭を見ながらだと「この街は何なんだ?」という方向に、つい思いが向かう。

こう考えると、やっぱり港町の文化というところに行き着くような気がしている。「新潟まつりって、どんなお祭り?」と聞かれた時に「おみこしが信濃川河口の港を渡るお祭り」と答えられる方が、何となくこの街らしいかなぁって。住吉行列だって、この延長線上で説明が成り立つ。

朱鷺メッセとピア万代の間のこの入江も、もう少し新潟の港町の風景として誇れるような雰囲気になるといいなぁ。みずつちメーン会場に来ると、水辺の風景の良さに改めて気づく。芸術祭が終わったらここがどうなるのか気になるし、ピア万代もラーメン村もなぜ水辺に背を向けているのか、気になって仕方ない。