花街にはきっと堀が似合う

furumachi2012-07-14

この西堀通りに堀が復活する日は果たして来るのか? 歴史ある街並みや伝統文化の残る古町花街のシンボルとして、一部区間だけ復元するというのもありなのかもしれない。

14日に西堀前通9の三業会館で行われた堀割再生NPOの講演会。階下から芸妓さんが三味線やうたを練習する音が聞こえるなか、古町花街(かがい)の魅力と堀再生の可能性について再確認する場となった。

まずは新潟大学岡崎篤行准教授が、最近新聞でも特集されるなどスポットが当たり始めている古町花街について講演。いつも何気なく歩いている古町8・9番町が、戦前からの料亭や待合などの花街建築が数多く残る、全国にも誇れる貴重な街並みであることが改めて紹介された。

京都や金沢の茶屋中心の花街と違い、新潟は料亭中心の花街。戦災や火災を免れ、これだけの規模で戦前からの建物が残る花街は全国的に見ても稀な存在で、新道や小路の雰囲気もいい。芸妓さんの養成や派遣を株式会社が行うシステムや、踊りの家元・市川流の存在など、ソフトの面でも申し分ない環境にあるという。

この古町花街という素材にいかに磨きをかけて全国に発信していくかということで、続いて古町9「割烹有明」の若女将を交えて行われた鼎談。街並みの整備を進めて、ここは歴史と風格のある花街なんだというコンセンサスを広げつつ、街としての統一感を図っていけたら、という方向性が確認された。

花街は古町再生と新潟の都市イメージの鍵になると岡崎准教授。その時、堀の復活は絵的に重要なシンボルになりうる。地元住民としては、交通問題は何とでもなると思っている。あとは「なぜ堀を復活させるか」というところだけ。花街という側面に注目することで、徐々に実現の可能性が出てきたような気がした。

この土日は浴衣で古町を歩こうというイベントも行われてて、浴衣姿も目立った古町界隈。今はまだ昼間は「寝ぼけたような」(割烹有明若女将)街だけど、きっと磨きをかけて、昼も着物や浴衣姿で散策するのが似合う街になるはず。そしてそこには堀と橋と柳があるのかも。そう感じた講演会だった。