スモールビジネスフルマチ

手術後2日間、古町通りをシモからカミへ歩いて眼科医へ通って、改めて古町は「スモールビジネス」で成り立っている街だと実感した。百貨店や全国チェーンの飲食店などもあるけど、この街のお店の多くが個性あるスモールビジネスで、そのことが街の個性にもなっている。

このたびフランスで開かれた国際的な広告クリエイティブ賞「カンヌライオンズ」で、アメリカンエキスプレスが行ったスモールビジネス支援のキャンペーン「スモールビジネスサタデー」が2部門のグランプリを受賞した。

スモールビジネスサタデーとは、11月の感謝祭翌日のブラックフライデーサイバーマンデーの間の週末をスモールビジネス活性化に貢献する週末にしようというもので、アメリカンエキスプレス社が2010年から呼びかけを行っている。このキャンペーンの内容はこちらのサイトに詳しい。

アメリカンエキスプレスのSmall Business Saturday - Social Market press - ソーシャル・マーケットに関するオンラインマガジン
http://www.social-market-press.jp/column/125/index.html

希望する先着1万店のスモールビジネスにFacebook広告100ドル分を無償提供。カード会員先着10万名に参加店で使える25ドルのクレジットを提供。さらにスモールビジネス起業を支援する「Girls Inc.」という団体へ100万ドルの寄付をするなど、ここまでしてスモールビジネスを支援しようという企業姿勢には驚かされる。

そこには地域コミュニティーを活性化して地域に貢献しようという使命感がある。新潟市でも古町などの中心市街地から、郊外のショッピングモールや路面店へと買い物客がシフトしている。しかし画一的で無個性な郊外店からは地域の文化やコミュニティーは生まれにくい。そのことに気づき始めている人も多いと思う。

けさの朝刊に、旧大和デパート跡の再開発がなかなか進まないという記事が載っていた。どうも古町中心部はいまだに再開発ビルや大型店といった「ビッグビジネス」の夢を見ているように見える。この街のいいところや個性を勘違いしているんじゃないかな、とつい思ってしまう。ごめんね、生意気で。

アメリカンエキスプレスのような大規模キャンペーンは難しいかもしれない。でもアイデア次第でやれることはあるのでは? 上古町のようにスモールビジネスの集まりを街の個性にして、元気を取り戻している例もすぐ近くにあるんだし。