痛快なほど地元にダメ出し

furumachi2012-01-29

コメリ書房が古町にオープンした時、新聞に載った商店街関係者の「山下(家具店)さんの(大和跡出店)時と違って歓迎できない」という発言。これこそ古町の体質そのものだ。たしかにNEXT21のアトリウムに大きく掲げられた「本」の看板はどうかと思うけど。

土曜日に新潟市のまちづくり講座に参加してきた。今回は新潟国際情報大学の越智敏夫教授が「街の魅力とは何か」についてアメリカなどの事例を挙げて考えるというもの。

越智教授は年末に掲載された新聞の連載コラムで、冒頭の商店街関係者の発言を取り上げ、古町商店街のよそ者を排除する姿勢を痛烈に批判していた。この記事は新聞なのに、読んでて「いいね!」ボタンを押したくなった。今回もどんな話が聞けるか、楽しみにしてきた。

ターミナル駅の跡に巨大市場を作り街の再生を果たしたフィラデルフィアや、高速道建設に反対し公共交通とカウンターカルチャーで観光都市として人気を集めるサンフランシスコなどの事例から街の魅力について考えた後は、いよいよ新潟市をどうするかという話へ。

もう次々出るわ出るわ。「県庁など公共機関を郊外に分散したのは行政の失敗」「市場もふるさと村とかピア万代とかちまちまと分散して」「食の陣まであちこちで分散開催してシャトルバスひとつない」「西堀・東堀通りの両方通行化で交通量はかえって減った」「美術館や水族館も残念なことに」…などなど。

歯に衣着せぬ発言の数々。ここまで来ると痛快である。脳内で「いいね!」連発。というか、新潟市民の多くも普段感じていることばかりだと思う。口に出して言わないだけで。

では新潟はどうすればいいか。越智教授は「まちづくりに正解はない」と話していたけど、県庁を街なかに戻すのは無理だとしても今からできることはありそうだ。

例えば、食文化の街を目指しているのに、街なかに那覇や函館、金沢のような大きな市場がないままでは観光客の期待に応えられない。ピア万代は年限が決まっているのだから、ここの出店テナントやノウハウをうまく生かして本町市場の大改造に着手するというのはひとつの手。

マリンピア日本海もリニューアルが計画されているけど、どうせやるなら沖縄の美ら海水族館みたいに新潟に行ったらここに行かないと!くらいな施設にしてほしい。まわりの公園も一体的に整備して、日本海に沈む夕日や冬の荒波を眺められる一大観光スポットになればいい。

越智教授の講演で次々出たのが、アメリカ各都市を舞台にした映画の数々。写真にせよ映画にせよ撮りたくなる絵になる街並みというのが、ブログやTwitterなど誰もが発信できる時代にますます重要になっていると感じる。市場も水族館もそういう発想で臨んでほしいところ。

そんなことを考えながらの帰り道、古町9のアーケードが気になった。ここは花街の歴史を物語る街。なのに、この緑ベースの色づかいと蛍光灯の白々とした照明はあまりに寒々しい。暖かみのあるものに変えるだけで街の印象は違うはず。大仕掛けでなくともやれることはきっとあるんだよね。