沼垂朝市に再生の予感

furumachi2011-12-06

お寺にはさまれた一角に、市場と飲み屋が背中合わせに連なる沼垂の市場通り。このただならぬ雰囲気にひかれて「ひとりフォトウォーク」してみた。

市場の方は、ネギや大根など季節の野菜が無造作に並ぶ八百屋が1軒だけ開いていた。その他は錆び付いたシャッターが閉まったまま。八百屋の上の時計も止まっている。「みつる」「ちゃこ」などの看板が並ぶ飲み屋街も夜はやっているのかな。一見さんには近づきにくい独特の雰囲気がある。まるで時間が止まっているような。

もともとここは通船川と栗の木川を結ぶ水路だったらしい。それを埋め立てた跡に、市場と飲み屋ができたという。本町の人情横丁と同じような歴史をたどってきたようだ。

少し違うのが、市場通りの両側はお寺がいくつか立ち並ぶ寺町だということ。行き交うおばあさんたちが、お寺の前のお地蔵さんに手を合わせる姿が見える。そして市場通りの先には製紙工場の煙突。いろんな風景がごちゃっと同居している感覚が面白い。

こんなちょっと廃れた雰囲気の沼垂朝市に、最近新しいお店が出来始めている。モノトーンの市場通りにパッと目を引く鮮やかな赤い日よけのお店はちょっとおしゃれなお惣菜屋さん。そして隣の水色の壁は、先月オープンしたばかりの喫茶店と家具のショールーム「ISANA」。つい先日はここでチェロの演奏会が行われたらしい。
http://www.isana-furniture.net/index.html

廃れ切ってしまった商店街に新しい息吹が入って再生する。上古町と似た構図が生まれ始めているのかも。雨が降り出したので、この日はすぐ退散してしまったけど、今度はもう少しゆっくり歩いてみたい。近くには餃子&ビール族の殿堂的存在の「栄華楼」もあることだし。勇気を出して「みつる」か「ちゃこ」に流れるというのもありかも?