古町のタイムマシン

furumachi2011-09-25

例えば今どきのおしゃれショップの奥の急な階段。例えばモール街からお店のすき間をちょっと入った狭い小路。これらを進んで行くだけで、ぐぐっと百年くらいタイムスリップした感覚になる。このギャップが面白い。

土曜日に古町で行われた写真撮影+街歩きなイベント「フォトウォーク」に参加してきた。

これは、古町通りを白山神社からスタートしてカミからシモへ、カメラで街並みを撮影しながら歩くというもの。県内各地で何回か行われていて、今回は、古町でタッチパネルの電光掲示板「まちタッチ」とFacebookの写真投稿機能を組み合わせた取り組みが始まったのにあわせて、古町では2回目の開催となった。

上古町は新旧のギャップの宝庫。今どきのおしゃれショップと思いきや、アーケードの上を見上げると実は古い町家…という建物が結構多い。昨年移転オープンしたhickory03travelersは、そんな町家の雰囲気を残す2階がギャラリー的なスペースになっている。1階のショップから2階の町家空間へ、急な階段はまるでタイムマシン。

先日は古本イベント「Barbookbox」をやっていたこの空間で、今回は雑誌「d design travele」の栃木号発刊を記念して「栃木展」が行われていた。昔のおばあさんの家のようなちょっと懐かしい雰囲気の空間に、栃木県益子の焼き物が並ぶ。お店というより部屋という感じのサイズがなんとも心地よい。

上古町から古町モールへと歩く。5・6番町は先日も書いた舗道リニューアルイベントでにぎわっていた。「美人時計」の撮影イベントなども行われていて、ヘアスタイリストやカメラマン、モデル風な女の子などで華やかな感じ。

そんな華やかなモール街をちょっと脇にそれて、ハンコ屋さんの脇のすき間のような狭い小路に入り込んでみる。すると「この先まーっすぐつきすすんで」という小さな看板が。知らないと、え?この先に何かあるの?と不安になってしまうけど、実はこの奥には古い町家を改造した小さな秘密のハンコ屋さんがあるのだ。

表通りの正統派な?ハンコ屋さんとはちょっと違って、ここでは手作り感いっぱいの小さなかわいいハンコを売っている。こちら「七尾屋」店主のおじいちゃんが作っていた手作りハンコを現代に再現しているそうで、このアナログな感じが町家を改造したというこのお店の雰囲気に合っている。昔、ハンコ作りに使っていたという写植機も見せてもらって、気分的にもタイムスリップ。

写真を撮って歩くという目的と、総勢50人近く参加しているという集団意識があるおかげか、地元の歩き慣れた街なんだけど、いつもよりちょっと踏み込んでお店の人と話したり撮影できたりするのが楽しい。撮影より話を聞くのがメーンになって、ついつい長居してしまって、常に最後尾を行く感じになってしまったけど。

カメラの不調でちょっと不完全燃焼な感じは個人的にあったけど、郊外店にはない古町らしさを発見し体験するのに、撮影という切り口は大いにありだと思った。そして、いいカメラがほしくなった。ちゃんと背景がボケるヤツ。やっぱり一眼?