被災地支援のカタチ

震災発生から4ヵ月あまり。ハードなボランティア活動の話などを聞くと、自分が参加したところでかえって足を引っ張ることになりそうで、結局現地活動に参加しないまま過ぎた。

でも最近、体力勝負的な支援活動だけでないサポートの方法もあるんだなぁと感心したのが、北澤潤さんが福島県新地町の仮設住宅で取り組んでいる「マイタウンマーケット」と、さとなおさんが宮城県名取市仮設住宅で手がけた「仮設住宅アート」だ。

◇マイタウンマーケット
”《マイタウンマーケット》とは、仮設住宅のなかで開かれる新しい市場のことです。市場の基本となる敷物を編むところから仮設住宅の集会所を拠点にはじめ、対話の中で出店者を募っていきます”
http://mytownmarket.blogspot.com/

◇少しでも気持ちが明るくなる環境に住んで欲しい。 …仮設住宅アート
”住宅棟の壁にたとえば「ネコ」を描き、表札もつけて、「ネコの棟の佐藤さん」とか呼ばれたらどんなに人間的だろう。「あなたは虹棟かい。私はカメ棟だわ」とか会話が起こったらどんなに楽しいだろう”
http://www.satonao.com/archives/2011/07/post_3248.html

どちらも共通するのが、無味乾燥になりがちなプレハブ仮設住宅の集合体を、住む人の心が通いあった人間味ある街にしていこうということ。すばらしいことだと思う。しかも外部の人がしっかり中に溶け込んで、住む人と共感を広げながら取り組んでいる。

北澤潤さんは、2008年に新潟市で行われた水と土の芸術祭で「浮島」を主宰したアーティストで、このブログにも何回も登場している。そんな彼が、妻の実家のある福島県浜通りで新たな取り組みを始めたことに不思議な縁を感じずにいられない。あくまで自然体で何か楽しそうなことをしているというところから共感を広げていったのだろう、「浮島」がそうだったように。

今度の週末は、2ヵ月半ぶりに福島県浜通りの妻の実家に行くことにしている。孫たちの元気な姿を見せるため。そして「相馬野馬追」を見るために。メーンの合戦などは中止のようだけど、各神社の神事としてのお祭りは地震に負けず行われる。

千年もの歴史を重ねた神事と、仮設住宅などで築かれる新たなつながり。これらがきっと、地域の復興への道のりを前進させてくれると信じている。もう国とか政府とかではない気さえしている。