新潟市民は幸福?

新潟市に暮らしているとつい忘れてしまうけど、日本でも「ここは危険」と言われるエリアがある都市は意外に多い。飲み屋街やギャンブル施設が近いとかラブホ街だとか理由はいろいろだけど、そういうことを気にしなくてもいいのは新潟市のいいところ。古町の飲み屋街近くに住んでてそう思うのだから断言してもいい。

新潟市都市政策研究所が昨年末に発表した「市民の幸福度」調査が興味深い。「子どもたちが恵まれている」「安全・安心、温かい家庭生活」など、5つの評価軸で30の指標を設定し市民の幸福度を評価、全国17の政令指定都市と比較したもので、結果は以下の通り。

■NPH(Net Personal Happiness=市民幸福度)の5つの評価軸と30の指標

1.子どもたちが恵まれている
(1)0~4歳児千人当たり死亡者数(乳幼児死亡率が低い):第10位(0.68人)
(2)保育所待機児童数(保育所待機児童が少ない):第1位(0人)
(3)小学生千人当たり不登校児童数(不登校が少ない):第5位(2.9人)
(4)中学生千人当たり不登校生徒数(不登校が少ない):第8位(2.8人)
(5)15歳未満千人当たり触法少年補導者数(少年非行が少ない):第9位(1.2人)
(6)20歳未満千人当たり少年犯罪検挙者数(少年非行が少ない):第5位(4.4人)
(7)15歳未満千人当たり児童虐待相談件数(児童虐待が少ない):第10位(4.9人)
(8)中学校新規卒業者の高等学校進学率(教養習得の機会多い):第1位(99%)
(9)高等学校新規卒業者の大学進学率(教養習得の機会多い):第12位(54%)

2.安心・安全、温かい家庭生活
(1)人口1万人当たり刑法犯認知件数(犯罪が少ない):第5位(137人)
(2)人口1万人当たり火災件数(火災が少ない):第2位(1.8件)
(3)千世帯当たり家事審判・家事調停受理件数(家庭内不和少ない):第4位(18.2件)
(4)離婚率(家庭内不和少ない):第1位(1.53件)
(5)20~30歳台女性100人当たり出産数(出生率が高い):第6位(6.3人)
(6)10万人当たり交通事故死者数(事故などリスク小さい):第12位(5.0人)
(7)10万人当たり不慮の事故死者数(事故などリスク小さい):第14位(23.6人)
(8)10万人当たり自殺者数(事故などリスク小さい):第16位(26.2人)

3.やりがいのある仕事、経済的ゆとり
(1)完全失業率(失業率が低い):第8位(5.6%)
(2)15歳以上女性の有業率(女性にも活躍の場が多い):第4位(50.0%)
(3)15~64歳の有業者千人当たり転職希望者数(仕事に満足):第11位(140人)
(4)生活保護世帯割合(生活保護世帯が少ない):第5位(1.9%)

4.社会とのつながり、連帯、信頼
(1)自治会加入率(社会とつながりを持つ機会が多い):第1位(96.6%)
(2)子ども会加入率(社会とつながりを持つ機会が多い):第1位(100%)
(3)老人クラブ加入率(社会とつながりを持つ機会が多い):第2位(28.9%)
(4)NHK受信契約率(ルールを守る人が多い):第1位(78%)
(5)給食費未納額の割合(ルールを守る人が多い):第3位(0.03%)

5.高齢者も恵まれている
(1)単身居住高齢者の割合(独居老人が少ない):第2位(10.9%)
(2)男女単純平均・平均寿命(平均寿命が長い):第5位(82.8歳)
(3)高齢者要介護等認定者の割合(健康な高齢者が多い):第6位(16.5%)
(4)要介護等認定者で居宅介護の割合(居宅介護が多い):第6位(45.1%)

http://www.city.niigata.jp/info/toshi_ken/newsrelease/houkokusyo2010.7.pdf

ちょっと分かりにくいかもしれないが「保育所待機児童数」などのネガティブ指標は少ない順の順位となっていて、第1位というのは一番少ない=幸福度が高いということになる。こうして見ていくとトータルでは新潟市民は幸福度が高いということになりそうだ。

個人的には、犯罪が少なくて周りの人を信用できるというのはかなり大きい。つい先日、ある都市の1棟売りのビルが安く売り出されているのをたまたま見つけて、なぜこんなに安いのだろうと所在地をググってみたら「○○市×× 治安」という検索候補がずらり。実はその都市でも治安の悪いエリアだったらしい。こういう感覚って、新潟市にはないなぁと。

こういうことを気にすることすら知らない新潟市民は、それだけでも幸福度が高いと言ってもいい。この街に暮らして幸福かどうかなんて、普段ほとんど意識しないで暮らしているけど、意識する必要がないというのが幸せなことなのかもなぁ、などと思ったり。