デビュー20年目に思う

今年の春は大学入学から数えてちょうど20年。高校までのレールに乗って進めばOKな年代から一歩踏み出し、いわば「大学デビュー」してから20年が過ぎたわけだ。オッサン化するわけだよなぁ。

20年前はちょうどバブルがはじけた頃で景気は悪かったというが、初めて来た東京・横浜はとにかく人が多くて夜も明るくて、毎日がお祭りのように思えたものだ。横浜の南の端に住んでたから東京へはたまに東横線に乗って渋谷に行くくらいだったけど、渋谷の街はキラキラして見えた。

それから横浜に4年間暮らし、大学卒業する直前にちょうど阪神淡路大震災地下鉄サリン事件が発生。何だかどんよりした空気に押し出されるように新潟に帰ってきたという感じがしている。

このどんよりした空気感は今も共通している。未曽有の大震災が起こり、復旧も原発事故も電力不足も先が見えない。「この先どーなんの?」という感覚は16年前の阪神淡路の時以上だ。何より照明を落とし人出も少ない繁華街を見ると、ただごとではないと思ってしまう。

節電はしなきゃならないし、原発なしでも成り立つ世の中を想定して知恵を絞らなければならないとは思う。でも大学の入学式まで中止することないんじゃないかな。こういう時に大学に入学する学生にこそ伝えるべきメッセージがあると思うんだけど。自粛ばかりでは考えることすら拒否しているような気がしてならない。

…なんて、20年前の大学入学式でどんな話があったかなんて、少しも覚えていないんだけど。