西堀復活と「象の鼻」

西堀に堀を復活するのは夢物語かな。でも例えば西堀通りの歩道の一部をガラス張りにして、地下に眠っているというかつての西堀の石組みを見せるくらいならできるかも。横浜の「象の鼻」みたいに。

きょうクロスパルで行われた堀割再生シンポジウム。残念ながら結局行けなかったんだけど、西堀に堀を復活するプランが発表されるというので地元住民としては気になっていた。

正直言って堀の復活は難しいと思っている。西堀、東堀通りが両方通行になって幅に余裕がなくなったし、近代的な街並みに堀を復活したところでただの水路にしかならない。韓国ソウルの清渓川のように街なかに水辺を復活して成功している例もあるけど、古町もひっくるめた街全体をうるおいある公園みたいにするくらいの勢いがないと難しいと思う。

ただ300年以上にわたってこの街に網の目のように堀がめぐっていたという歴史の足跡というか土地の記憶というか、これを何らかの形で残したいという思いはある。そこで思い出したのが横浜の「象の鼻」。

象の鼻は横浜港発祥の防波堤。開港から150年、古くなり崩れかけていたのを建設当初の形に復元する一方で、かつての石組みはちゃんと残され足元にガラス張りで見えるようにした。また近くの象の鼻パークでは、地下に眠っていたかつての汽車の転車台を同じように足元のガラス張りの下に見ることができる。

今は道路になっている西堀だけど、地下にはかつての堀の石組みが残されているという話を聞いたことがある。場所によっては横浜の象の鼻みたいに、足元をガラス張りにしてこれらの遺構が見えるようにすることだって不可能ではないかも。

350年もの間、街の骨格がほとんど変わっていない新潟古町界隈は、ちょっと掘れば丸ごと遺跡みたいなものだという。普段何気なく歩いたり暮らしたりしている足元にも何かしらの歴史の足跡が眠っているのかも、と考えるとなかなか興味深い。街じゅうオールガラス張りにしたいくらい。