止まった時計

furumachi2011-05-04

福島浜通り2日目。朝食には、うちの子たちが大好きな松川浦産アオサの味噌汁。海苔のイカダが津波の被害を受けて、アオサはしばらく採れなくなるみたいなんだけど…。

写真は福島県相馬市の松川浦にかかる松川浦大橋。この橋の道路部分は4階建てビルくらいの高さがあるのだが、ここまで津波がかぶったというから想像を絶する。

この橋のたもとには海水浴場に面して結構大きな集落があったはずなのだが、一面瓦礫が散乱する更地と化していた。港湾施設も土産物店や旅館も壊滅状態。船が陸に上がり、車が海に突っ込んでいる。テレビで観た惨状が広がる。2ヵ月近く経っても、未だこの状況。あまりの光景にむしろ現実感がない。

ただ、海岸近くでも少し高台などの家は被害が少ない。海岸線から2キロあまりの義父母宅も屋根瓦やガラス窓に被害があったものの、津波被害はなかった。昼食を食べたイタリアンレストランも少し高台にあり無事だったが、すぐ脇の低地には大きな漁船が打ち上げられていた。少しの違いで明暗が分かれている。

相馬市の中心、相馬城跡では、壊滅状態となった漁港が元気を取り戻そうと朝市を開催していた。相馬城跡は花見の名所。でも花見をする気分になれないうちに、桜は葉桜になってしまったと地元の人は言う。朝市で賑わう城跡は遅れて来たお花見シーズンみたい。止まっていた時計がようやく動き出した感じ。

大きな被害を受けた漁港自らが元気を出して、止まっていた時計を動かそうとしている。イカダが被害を受けた松川浦産アオサも復活に向けて動き出すのかも。子どもたちと一緒に楽しみに待ちたいと思う。