焼きそばは古町を救えるか

先日行われた新潟市のまちづくり講座で、新潟国際情報大学の越智敏夫教授が「焼きそばにいろんな色をつけて出したところで、地域の活性化にはつながらない」みたいな話をしてた。ホントそうだよなぁと思ったんだけど、えっ…今回の食の陣の目玉はご当地焼きそばだって?

今週末に恒例の「にいがた食の陣・当日座」が、古町モールなどで開催される。今年は、魚沼の「グリーン焼きそば」、糸魚川の「ブラック焼きそば」、妙高の「レッド焼きそば」など県内各地のご当地焼きそばが食べられるという。そして新潟市オリジナルの焼きそばとして、ナンバンエビ入り焼きそばが登場するのだとか。

2日間のお祭りの賑やかしとして物珍しい焼きそばが売られるというなら、まあ食べてみてもいいかな、とは思う。でもこのナンバンエビ入り焼きそばが市内のあちこちで定番メニューとして売られ、街の活性化につながるかというと…、ちょっと想像できない。

焼きそばってアレンジが効くし、食べやすくて持ち帰りもしやすいから、全国各地でご当地焼きそばが登場しているのは分かる。でも、もともとあったご当地グルメとは違って、どうにも取って付けた感がある。そもそも今さら新潟でご当地焼きそばを名乗ったところで、そこに何匹目かのドジョウはいるのだろうか。

もともと地元に根付いているメニューで勝負する方がいいんじゃないかなぁ。例えばトンカツ。我が家から歩いて数分以内だけで3軒ものトンカツ専門店があり、さらには居酒屋やそば屋などでもカツ丼を出す店が多い。もちろん新潟独特のタレカツ丼だ。東京神田がカレーの街なら、古町界隈はタレカツ丼の街を名乗ってもいいんじゃないかと思う。

あ、でも食の陣の当日って、新津屋小路の「とんかつ太郎」には長い行列ができるんだよね。あんなにいろんな屋台がモールに出てるのに。だからご当地焼きそばを目指して古町にやって来て、結局とんかつ太郎でカツ丼を食べて帰るというのはそれはそれでアリ。

…などと言いながら、ナンバンエビ入り焼きそばを実際食べてみて本当に美味しかったら、手のひらを返したようにご当地焼きそば推しになってしまいそう…。ご当地焼きそば、どうよ?と思いながら、古町じゅうのお店で食べたくなるくらい美味しかったらいいな、と期待している自分もいたりするのだ。